商品概要
本書は,筆者と大工により15年間の蓄積を経て辿り着いた,木造軸組住宅の最適な構法である「渡り腮構法」による住宅のつくり方を解説する。木造住宅においても「構造システム」をつくる重要性と,その技術的解説を行い,実大試験により蓄積されたデータから,耐震性能までを検証する。自然に還る素材を使用し地球環境へも配慮された構法として,法改正による混迷と,現代木造住宅の混沌とした状況に一つの明確な解答を出した木造構法の決定版を紹介する。
ISBN-10: 4767701228
ISBN-13: 978-4767701226
★目次★
◎まえがき
◎第Ⅰ章 木の構造システム論<基本編>
[1]木で住宅をつくる基本姿勢
住宅の基本的な性能
木造住宅の構造的な性能
木の特性に従う技術
なぜ,木の特性に従う技術を目指すのか
[2]木造住宅を構造システムとして考える
構造システム論
構造システムの要素
構造システム論の意味
構造システム論の経緯
伝統構法と構造システム論
[3]構造システムの検証方法
許容応力度設計法と保有水平耐力計算
限界耐力計算
地震応答解析(動的解析または振動解析)
検証方法を実験住宅で確認する
[4]荷重の種類と木材に生じる応力
荷重
木材の強度と許容応力度
[5]構造システムとその要素
架構(軸組)の種類と特徴
耐力壁の種類と特徴
水平構面の種類と特徴
接合部の種類と特徴
(対談1) 構造システム論はどのようにつくられて来たのか
◎第Ⅱ章 木の構造システム論<応用編>
[1]渡り腮構法はどのような構造システムなのか
どのような要素を選択して組み合わせるのか
[2]渡り腮構法の住宅の計画
架構計画
モデル住宅の平面計画と構面計画
平面計画と架構計画の展開
[3]渡り腮構法を選択する理由は何か
(対談2) 渡り腮構法は構造表現主義
◎第Ⅲ章 木の構造システムの耐震性能の検証
[1]検証方法の具体的な方針
検証の進め方
[2]モデル住宅の概要
建物概要
構造概要
[3]立体架構・静的弾性解析による検証
解析方法の概要
解析条件
解析する項目
解析結果
解析結果からわかったこと
[4]弾塑性・時刻歴応答解析による検証
解析条件
X方向,Y方向の解析結果
Y方向の解析結果(応答値を考慮した部材の試験体)
解析結果からわかったこと
[5]限界耐力計算による検証
解析条件
解析結果
解析結果からわかったこと
渡り腮構法の構造設計指針
(対談3) 木構造の性能設計
◎第Ⅳ章 木の構造システムの詳細
[1]各要素のつくり方
軸組
耐力壁
水平横面
[2]基礎のつくり方
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)で地盤を知る
基礎形状の決定
地中梁の配置
配筋方法
コンクリート
(対談4) 壁倍率に蹟くな
◎第Ⅴ章 木の構造システム論の展開
[1]実験住宅の引張試験
変形で評価する
建物概要
構造概要
試験方法
試験結果
[2]解析結果と建築基準法
実験住宅の解析結果と地震に対する耐力の考察
時刻歴応答解析と限界耐力計算の考察
地盤種別と壁量との考察
減衰定数の考察
土壁の性能
まとめ
(対談5) 木構造と建築基準法との関係
◎第Ⅵ章 木の構造システム論<資料編>
梁断面リスト
一般地域
積雪地域(積雪50cm)
耐力壁実験リスト
接合部実験リスト
地中梁の配筋・耐圧版の配筋リスト
◎索引