はじめに
■1部“断熱リノベーション”ってどれくらい効果があるの?
基礎1 断熱から考える効果
2 断熱の費用対効果
3 ゼロエネルギー住宅への可能性
4 建物の断熱性能をチェックする
5 UA値計算をシンプルに考える
6 複雑な形状のUA値もラクに計算できる
7 断熱の進め方
■2部 断熱リノベーションの実践
CASE1 RC造マンションの内断熱改修 最上階住戸の大きなワンルーム
“新しいライフスタイル”を提案するための断熱改修
調査1 周辺のロケーションを把握する
2 配管や断熱の状況確認 改修前平面図
3 断熱に有利な住戸配置 改修前断面図
計画1 空間の改修イメージと断熱計画の全体像
2 大空間でも暖かい平面計画
3 最上階の屋根断熱と断面計画
検証1 全体像を把握する
2 屋根・床・南側外壁・西側界壁の性能比較
3 北側外壁・東側外壁の性能比較
|COLUMN| セルロースファイバー断熱材の性能
施工1 躯体工事 改修はメンテナンス必須
2 下地組工事 断熱ラインの決定
3 断熱材施工 セルロースファイバーの吹き込み
4 設備工事 換気計画と断熱ライン
5 設備工事 配管計画と断熱ライン
6 内装工事 床仕上げと壁・天井下地
|COLUMN|桐材の特徴
7 内装工事 天井・壁の漆喰仕上げ
8 建具工事 既存開口部の追加断熱
効果1 断熱リノベーション後の暮らし
2 改修前後のエネルギー消費を比較する
CASE2 木造戸建てのゾーニング断熱改修 増築を繰り返した木造在来工法の住宅
機能性・耐震性・断熱性を高めてつなぐ「時代を重ねたデザイン」
調査1 建物と周辺のロケーションを把握する
2 検討と選択のプロセス
3 敷地の環境と建物形状の温熱特性
4 母屋の増築プロセスと傷み具合
5 改修か建て替えか
6 全体計画に断熱改修を位置づける
7 増築時期で異なる状態の把握 改修前配置図
8 暮らしの重点とゾーニング断熱 改修後配置図
計画1 残す・残さないを線引きするコンセプト
2 断熱改修の方針を立てる
3 断熱ラインの設定
4 断熱材の選定
5 気密性の向上と換気
6 開口部の断熱と日射制御
7 断熱改修を考慮した耐震改修
検証1 既存仕様と増築履歴 改修前平面図
2 動線と断熱ゾーニング 改修後平面図
施工1 解体・躯体補強 現場変更は柔軟に
2 下地組・耐力壁・設備工事 既存活用の現場判断
3 断熱工事 断熱材の施工
4 枠・建具工事 造作建具の施工
5 外壁仕上工事 外壁修繕施工との兼ね合い
|COLUMN|職人さんがやる気になる“時代を超えて残る”仕事
効果1 断熱リノベーション後の暮らし
2 改修による温熱環境の改善
3 改修後の暮らしとエネルギー消費
4 ゾーニング断熱の有効性と課題
TOPICS [パーシャル断熱改修]築90年の木造店舗兼用住宅
地域の仕事場として開く段階的リノベーション
1 安普請木造を内断熱でくるむ
2 職人とともに、時にはDIYで
3 季節にあわせた「風の通り道」を作る
4 次なる展開に向けた耐震補強
5 断熱リノベーション後の仕事場
CASE3 RC造戸建ての外断熱改修 無断熱30年目のコンクリート打放し住宅
愛着ある住まいの原風景をどう残すのか
調査1 目指すべき断熱性能をイメージする
2 図面と現場で現況を確認する
計画1 既存の空間特性を尊重する 改修前平面図
2 断熱とデザインの接点 改修前平面図
3 既存に調和する屋根形状とは 改修前屋根伏図
4 光と断熱の関係を考える 改修後屋根伏図
5 断面方向の断熱デザイン 改修前後矩計図
検証1 断熱材の性能を数値で評価する
2 外断熱・内断熱・中断熱+自然エネルギー
施工1 折半屋根 1 既存を活かしつつ断熱効果を高める
2 板金の納まり形状は現場で決める
3 既存屋根を活かす重ね葺きの施工手順
4 既存トップライトから採光しながら断熱する
5 重ね葺き内部の追加施工
6 トップライト断熱の施工手順
2 サッシ 1 断熱性能・耐久性・意匠のバランス
2 改修現場での機転:外部額縁の素材変更
3 枠を再利用する(カバー工法)場合の施工手順
4 撤去して新設する場合の施工手順
3 陸屋根 1 シート防水からウレタン防水へ
2 改修現場での機転:防水施工のクリアランス確保
3 断熱+防水改修の施工手順
4 外壁 1 内断熱か外断熱か:判断と仕上材
2 改修現場での機転:階段・窓・外壁をくるんでつなぐ
3 下地組が肝心な施工手順
5 建具 1 既存を活かし断熱性能を高めるガラス入替
2 施工後の“見え”も意識した選択
3 シングルガラスからペアガラスへの入替施工手順
|COLUMN| 別棟トップライト 雨仕舞と“見え”の落としどころ
6 屋根裏 1 形状に追従できるロックウール留め付け断熱
2 改修現場での機転:施工性が悪い時
3 断熱材の留め付け施工手順
効果1 断熱リノベーション後の住まいの風景
2 快適性と動線とコミュニケーション
3 断熱リノベーション前後の温熱環境
学習参考図書一覧
断熱リノベーション用語解説
著者略歴
|編著者|
柿沼整三(かきぬま・せいぞう)
(株)ZO設計室代表取締役。1975年工学院大学工学部建築学科設備工学コース卒業、1977年同大学院工学専攻科建築学専攻終了。1979年同大学専門学校建築学科講師(建築設備学、建築環境工学)などを経て、1987年より現職、東京理科大学工学部建築学科非常勤講師も兼任。設備設計一級建築士、技術士(建築環境)。共著書に『建築設備の極意を伝授! 設備設計スタンダード図集』(オーム社、2017)、『わかる!わかる! 建築設備』(オーム社、2015)、『しくみ図解 断熱・防湿・防音が一番わかる』(技術評論社、2013)ほか多数。
|著者|
杉本龍彦(すぎもと・たつひこ)
杉本龍彦建築設計主宰。工学院大学大学院修士課程修了。一級建築士、東京都建築士会環境委員。共著書に『建築用語図鑑 日本篇』(オーム社、2019)、
『窓がわかる本 設計のアイデア32』(学芸出版社、2016)、『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計』(オーム社、2015)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[RC編]』(オーム社、2016)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[S編]』(オーム社、2017)ほか。
植本俊介(うえもと・しゅんすけ)
植本計画デザイン主宰。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院都市工学修士課程修了。(株)曽根幸一・環境設計研究所勤務を経て、1998年植本計画デザイン一級建築士事務所を設立、現在に至る。一級建築士、東京建築士会環境委員、NPO木の建築フォーラム会員。2003年グッドデザイン賞、第58回神奈川県建築コンクール住宅部門優秀賞受賞。
長沖充(ながおき・みつる)
長沖充建築設計室主宰。1997年東京藝術大学大学院美術学研究科建築専攻修士課程修了後、小川建築工房、中山繁信/TESS計画研究所勤務を経て、2005年より現職。一級建築士、都立品川職業訓練校、会津大学短期大学部非常勤講師。共著書に『建築用語図鑑 日本篇』(オーム社、2019)、
『窓がわかる本 設計のアイデア32』(学芸出版社、2016)、『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計』(オーム社、2015)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[RC編]』(オーム社、2016)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[S編]』(オーム社、2017)ほか。
大村紋子 (おおむら・あやこ)
(株)納屋代表取締役、プロジェクトマネージャー。横浜国立大学大学院工学研究科修了。英国ヨーク大学大学院戦災復興開発学コース修了。専門はプロジェクトマネジメント、サステナビリティ。郵政省、JICA(国際協力機構)、レンドリース・ジャパン株式会社を経て、2013年より現職。一般社団法人グリーンビルディングジャパン代表理事。一級建築士。
柿沼雄三(かきぬま・ゆうぞう)
(株)ZO設計室勤務。北海道工業大学空間創造学部建築学科卒業。金子コード食堂棟(意匠設計:奥野公章建築設計室)、みなとみらい本町小学校(意匠設計:みかんぐみ)、湖畔の森教会(意匠設計:小川博央建築都市設計事務所)、ファーマーズ御殿場(意匠設計:B2A)などの設備設計を担当する。